睡眠とお風呂には面白い関係があります
私は 2019 年 4 月以降、睡眠に関する本を数ヶ月で 30 冊近く読んでいます。
最近では、論文にも手を出し始めていたり…w
せっかくこの睡眠の知識を世の多くの人に知ってもらえる機会があるので、誤った睡眠の常識や、最高に気持ち良い睡眠の仕方、健康や睡眠の質、体への影響などを楽しくお伝えしていければなと考えています。
今回は、私が大好きなお風呂(温泉)と睡眠の関係について話そうと思います。
体の温度
睡眠は依然として、その多くが謎に包まれている分野でこれからの研究に目が離せないところですが、
体の温度と睡眠には関係があり、データとして示されています。
体の温度には大きく分けて 2 種類存在します。
体の表面の温度と深部(内臓など)の温度です。
これら 2 つの温度は体が活動(覚醒)している時間と、休息している時間で異なる変化をします。
例えば、体が覚醒している時、
体の表面の温度は低くなり
深部の温度は高くなります
逆に、体が休息している(寝る)時、
体の表面の温度は高くなり
深部の温度は低くなります
なぜこのような変化をするのでしょうか?
体と温度と深部温度との関係
深部の温度は内臓の温度でもありますが、日中は体のエネルギーを生み出すために内臓は活発に活動するため温度が高くなります
逆に、睡眠時には内臓を休ませ、リラックスした状態にするために深部の温度は下がっていきます。
そして起きる時間が近づくとまた深部温度が高まっていきます。
この時、深部の温度を調節するために体の表面(皮膚)の温度が効果を発揮します。
睡眠が近づき、深部体温を下げるために、皮膚温度は高くなります。
皮膚温度を高くすることで、放熱して深部体温を下げるのです。
これは、赤ちゃんが寝る間際にほっぺたが赤くなる現象にも表れています。
試しに、自分が寝る前の皮膚の温度と、日中の皮膚の温度を比べてみてください。
明らかに温度の違いを感じることができると思います。
睡眠の研究者として、第一線で活躍されている西野精治先生の著書にて、そのメカニズムも紹介されています。
出典『スタンフォード式 最高の睡眠』より
この記事では、もう少し踏み込んで、この 2 つの温度を自分で調節して最高の睡眠へと誘うことができないかを実験してみました!
皮膚温度と深部温度とお風呂の実験(概要)
すでに述べたように、睡眠時には皮膚温度が高くなり、深部温度が低くなります。
ということは、その条件を意図的に自分で作ってしまえば最高の睡眠の条件を操ることができるようになるのではないでしょうか。
ということで、本記事においては、お風呂を使ってこの温度を調整する実験を行なっています。
この記事を読んだ日から使える内容なので是非試してほしい実験です。
皮膚温度と深部温度とお風呂の実験(本編)
【実験の説明】 就寝 1.5 - 2 時間前の入浴は睡眠へ誘う効果があるのか
【実験内容】 41 度のお風呂に 15 分入る
39 度ぐらいのお風呂に 20 分前後入る
【結果】
41 度ぐらいのお風呂では脱水症状なのではないかと感じるぐらいに汗が出てしまい、お風呂に入っているのに少し疲れてしまいました。
また、眠気は 1h から 1h30m ぐらいの間で感じました。
39 度ぐらいのお風呂では汗に関する心配はなく、お風呂に入ってから 1h30m から、2h の間で猛烈な眠気がやってきました。
どうやら私にとっては、39 度ぐらいのお風呂に 20 分いかないぐらいのお風呂に入るのが睡魔を呼び起こしてくれているみたいでした。
あと、
帰宅後ご飯を食べ、少し時間を開けたぐらいの時間に入るお風呂は最高すぎますね笑
考察
結果的に、どちらの場合もお風呂に入らなかったことに比べると圧倒的に睡魔がきている実感を得ました。
また、熱いお風呂よりも、ぬるいと熱いの中間ぐらいの温度で入ると汗をかきすぎずに入れて、その分少し長めにお風呂に入ることで体の温度をあげられるみたいです。
余談
ちなみに、お風呂に入ると深部温度が高まってしまうのでは?と思った人。
鋭い!
その通りです。
実際、お風呂に入ることで体の表面温度だけでなく、深部温度も上がってしまいます。
ここで重要なのが、序盤で述べた皮膚温度を高めることで放熱して深部温度を下げる効果ともう1つ、
深部温度は急激に高まると元に戻ろうとして、元々の温度よりも下がる性質を持っています。
ホメオスタシスとも呼ばれています。
それについてはまた今度話そうと思います。